例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「あ……。じゃあ、さっきの続きから始めよう!」



委員長の声に気を取り直すクラスメイトたち。

美波ちゃんの悲しげな表情は変わらないけれど、それでも練習を頑張っている。


ほっとする私。

一瞬どうなるかと思ったけど、また練習を始められて良かった。



「優奈ちゃん」

「っ⁉」



不意に名前を呼ばれて驚く私。

隣を見れば湊くんが立っていた。

湊くんの手が、私の頭に触れる。

思いがけない湊くんの行動に戸惑う私。



「優奈ちゃんは優しいね」

「……え?」

「誰かを守るってことは簡単なことじゃないから」



優しい強さを持っているね。

そう言って、湊くんは私の頭を撫でる。


……優しい強さ、か。

湊くんの言葉が胸に染みる。

私の行動が誰かに認めてもらえた。

そう思うと嬉しかった。
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