例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
数分後。

救急車がサイレンを鳴らしてやってきた。

隊員の人たちが駆けつけてくれる。



「倒れたときに一緒にいた方はどなたですか!?」

「はいっ。私ですっ」

「状況も聞きたいので一緒に来てください」



救急車に乗せられる湊くん。

私も続いて救急車に乗る。



「あとで俺たちも病院に向かうから!」

「分かったっ」



その言葉を残すと、救急車が動き出す。

私の目の前には横たわっている湊くんがいる。

湊くんは苦しげな顔をしている。

呼吸が乱れていることが私でも分かる。

お医者さんの問いかけにも反応しない湊くんに、私は焦りを感じた。



「湊くんはっ。大丈夫なんですか!?」

「今はお答えできません」



答えられないって……。

不安だけが募っていく。


湊くん……。

どうか無事でいて。

お願いだから……っ。


私は祈る気持ちだった。

だけど、湊くんの容体は悪化しているようだった。

湊くんの額に汗が浮かんでいる。

先ほどよりずっと苦しそうな顔。



「湊くん……」



何度湊くんの名前を呼んでも、返事が返ってくることはなかった。
< 166 / 287 >

この作品をシェア

pagetop