例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
私は湊くんのバッグを手に取る。

駆け足で先を歩いていた2人に追いつくと。



「私、湊くんに荷物だけ届けてくるから! 先に帰っていて!」

「優奈っ!?」



それだけ言って私は引き返した。

湊くんの病室は205号室と聞いた。

個室らしい。

私は湊くんのバッグを抱えて病室の前にたどり着いた。



「ふぅ……」



この先に、湊くんがいるんだよね……。

私は意を決して扉をたたいた。

しばらくして静かに開かれる病室の扉。

そこには泣き腫らした湊くんのお母さんの姿があった。



「あなた……っ、」

「湊くんのクラスメイトの、綾瀬 優奈です。荷物を届けに来ました」



その瞬間。

パチィィイン!

思い切りなにかを叩く音が病室に響いた。


い、痛い……。


私、今。

湊くんのお母さんに頬を叩かれたの?

驚いて声も出せない私に、湊くんのお母さんは私の胸ぐらをつかんだ。
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