例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
病院の自動ドアを抜けて外の空気に触れる。

生ぬるい風が気持ち悪い。

だけど、湊くんはこの風を感じることも出来ないんだよね。

そう思うとこらえていた涙が流れ落ちる。


ごめん。

ごめん、湊くん……。



「優奈っ」



ふらつく体を支えてくれたのは冬弥くんだった。

涙でぐちゃぐちゃの顔を上げれば、心配そうな顔をしている冬弥くんがいる。

私は崩れ落ちるかのように、冬弥くんの胸の中で泣いた。



「優奈を待っていてよかったよ……」

「ひっ、く。みなっ、と、くん……っ」

「あいつは元気になって戻ってくるよ。絶対」



冬弥くんが私の背中を撫でてくれる。

だけど、私の感情はぐちゃぐちゃのままで。

湊くんの元気な姿を見たいと思う反面、もし見ることができなかったら……、と思うと怖くなった。


怖い。

今までに感じたことのない怖さ。

誰かの命が危ない。

そう思った瞬間、私の中でなにかが切れた音がした。
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