例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「……いい加減にしろよ」

「え?」

「目障りだから消えてくれ」



冬弥くんの低くて冷たい声が耳に入る。


そっか。

冬弥くんは今、私をかばってくれたんだ。

なんでだろう。

私なんかをかばう必要もないのに。

なんで、かばったりなんかするんだろう。


……分からないや。



「なんかしらけちゃったなぁーっ、」

「うちらは祝福しようとしていたのにねぇっ!?」

「い、行こ!」



加藤さんたちが離れていく。


なんでだろう。

なにを言われても感じないや。

傷つくこともない。

悲しむこともない。

私に向けられている言葉全てが、他人事のように感じる。


傷つくことがない。

なんだかふわふわした感じ。

私って、こんなに冷静に物事をとらえられる人間だったんだな……。


そんな自分の変化に驚くことはない。

ただただ、自分自身を妙に客観的に見ている自分がいた。
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