例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「……優奈ちゃん」



柔らかい声が耳に入る。

声のする方に視線を移せば美波ちゃんが立っていた。


美波ちゃんも。

泣いていた。



「優奈ちゃんを苦しめているのは私……」

「なんの、話?」

「後夜祭の前に優奈ちゃんに嘘をついたことをずっと、謝れなくて……」



ごめんんさい。

美波ちゃんはそう言って頭を下げた。


後夜祭の前……。

ああ、冬弥くんが夏樹先輩に告白されているっていう話のこと?

それなら気にしなくていいよ。

私はもう、気にしていないから。



「あの嘘をついてから、優奈ちゃんは食事を取ることをやめたんですよね……」

「少しは、食べているよ」

「でもっ! 今の優奈ちゃんはっ、」



体も心もボロボロじゃないですか……。


そう言って美波ちゃんは大粒の涙をこぼしていた。

ああ、そんなに泣かなくてもいいのに。

私の体と心は元気だよ。

だって、こうやって学校に来て椅子に座っていられているから。
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