例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「これ、は……」



冬弥くんが先生に説明を求める。

その声は震えていた。

表情をほとんど変えない先生。

先生はゆっくりと口を開き、私たちに説明をする。



「綾瀬さんは早急に入院が必要です」

「にゅう、いん……」

「……」

「摂食障害の他に”離人症”という症状も現れています」



離人症。

聞いたことがない名前だった。

先生が丁寧に説明をしてくれる。


離人症は自身の身体、精神、感情などから離脱しているように感じる症状。

例えば自分の生活を傍観しているように感じたり、感情が麻痺しているように感じる。


先生はそう言った。
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