例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「綾瀬さん」



先生は変わらず穏やかな表情で私に言った。


”生きることがラクになるように”


そう、教えてくれた。



「生きることが、ラク……?」

「人生楽しもう、とは言いません。もちろんそれは理想ですが、」

「……」

「ただ、せめて。生きることに苦痛を感じない、ラクだなって思えるようにしましょう」



私は頷いた。


もし、生きることがラクだと思えたらどんなに素敵だろう。

今まで人になにを言われても残らなかった言葉。

だけど、先生の言葉はスッと胸に届いた。



「がんばり、ます」

「僕もお手伝いできるよう、頑張りますね」



微笑んだ先生の言葉は心強かった。
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