例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
それから。

私は入院生活の記録を残すようになった。

日記という形で私の存在を残す。

今日は冬弥くんが来てくれた、とか。

今度は美波ちゃんも一緒に来てくれた、とか。

先生が私にくれた言葉とか。

心が温まった瞬間とか。

少しでもなにかを感じたその瞬間を書き残す。


日記を書いてどうしたいとかじゃないけれど。

いつしか、その日記を先生に見せることが日課になっていた。

先生は毎日病室に顔を出してくれ、時間を割いてまで私の日記を読んでくれた。


先生はいつも午前10時ごろ会いに来てくれる。

今日も。



「綾瀬さん。いかがですか?」

「毎日同じ繰り返しだから、あまり印象的なことはないけど……」

「入院生活って暇ですよね」



そう言って苦笑する先生。

つられて私も苦笑する。


確かに暇。

だけど、先生と話すこの時間は嫌いじゃない。
< 194 / 287 >

この作品をシェア

pagetop