例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「日記、書きました」



私は備え付けの机の引き出しから日記を取り出す。

それを受け取ってくれる先生。

昨日の夜、書いたページの部分を読んでくれる。

読み終わった後、先生はいつも『ありがとうございます』って笑顔を見せてくれる。

私がお礼を言いたいくらいだけどな。



「今日の夕方、成宮くんと如月さんが来てくださるんですよね」

「はい。今の私と会っても気を使うだけだと思うのに……」

「仮にそうだとしても、綾瀬さんに会いたいんですよね。たくさんお話してくださいね」



先生は微笑みながら私に日記を返してくれた。

それを静かに受け取る私。


大事な日記。

……私は精神疾患を抱えた。

入院という事実が私に現実を教えてくれた。

だから、この日記は闘病日記。


内容は薄っぺらいことしか書いていないかもしれない。

だけど、いつかこの日記に色んな感情を書き出せるといいな、と思う。



「じゃあ、また来ますね」

「ありがとうございます」



先生は頭を下げながら病室を出ていった。
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