例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「期末テストの結果を返すぞー」



梅雨が明け、高校生になって初めての夏を迎えた。

ジメジメして蒸し暑い教室。

テスト返却ということもあって教室の空気は重たい。



「綾瀬 優奈。答案用紙を取りに来いー」

「はい」



いよいよ、テストが返される。

この瞬間はいつもドキドキする。

ずっと勉強頑張ってきたから、結果も良ければいいなぁ。

そんなことを思いながら、先生の前に立つ。



「綾瀬、頑張ったな! クラストップだ!」



ざわつく教室。

『さすが綾瀬さん!』と、声が上がる。

先生も『よく頑張った!』と、褒めてくれるけど。

私は答案用紙を見て、素直に喜ぶことができなかった。

答案用紙を受け取った私は席に戻る。



「何点だった?」



そう聞いてきたのは、隣の席の成宮 冬弥くん。

冬弥くんは私の幼なじみだ。



「……98点」

「嬉しくないのか?」

「あと1問正解で満点だったのにー……」



悔しさが残る。

間違えた問題を見ればケアレスミス。

単純すぎるミスこそ悔しい。
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