例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「じゃあ、お願いします」

「任せて」

「俺も手が空いたら手伝う」

「冬弥は不器用だからダメ」



湊くんの言葉に不機嫌丸出しの冬弥くん。

そんな冬弥くんも出番近づいてきたようで、委員長に呼ばれている。

不機嫌さを残しながら練習を始める冬弥くん。

黒板の前で演技をしている。

……美波ちゃん、ちょっと羨ましいかも。

演技とはいえ、冬弥くんに甘い言葉をかけてもらえるなんて。

少しもやっとする。

そんなことを思ってしまう自分が嫌だ……。



「優奈ちゃん?」

「あっ。ごめん、ぼーっとしていた!」

「大丈夫?」

「うん! 私たちも衣装作り頑張ろう!」



私は黒板に背中を向けて、衣装作りを開始した。

机に大きな布を広げて裁断していく。

ときどき湊くんに教えながら進める。

湊くんは教えたことをすぐに吸収してくれて、衣装を作り進めてくれる。


……本当に手先が器用なんだなぁ。


湊くんの初めて知った特技に感動しつつ、私も負けないように衣装作りに励んだ。
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