例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
午前中も終わり、文化祭準備もひと段落した。

待ちに待った昼休みだ!

お腹がすいたから、早くお弁当を食べたい。

そう思いながら、裁縫道具などを片付けていると。



「あの、綾瀬さん」



名前を呼ばれて顔を上げれば、美波ちゃんが立っていた。

声をかけられて正直驚いた。

美波ちゃんと話す機会は今までほとんどなかったし。

声かけてもらうことなんて1度もなかった気がする。



「どうしたの?」



首をかしげる私。

美波ちゃんは『えっと。あの……』と、口を開いては閉じたりを繰り返していた。


うーん。

なにか言いづらいことなのかな。

教室では話せない内容とか……?

それなら場所を変えたほうがいいのかな?



「美波ちゃん。屋上で一緒にお弁当食べない?」

「……いいんですか?」

「うん! 一緒に食べよう!」



私は机の横にかけてある鞄からお弁当袋を取り出した。



「屋上に行こ?」

「はいっ」



私たちは席を立って屋上へ向かう準備をする。

美波ちゃんもお弁当は持参らしい。

鞄から取り出したお弁当は風呂敷に包まれていた。
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