例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「それってお弁当、だよね?」

「はい。大きくて驚きますよね」



そう言った美波ちゃんは苦笑いをした。

少し悲しげな表情を見たらなにも言えなくなってしまう。

私はどんな言葉をかけていいのか分からなくて。


会話もないまま廊下を歩いた。

沈黙が続く。

屋上に近づくにつれて廊下を歩く生徒が少なくなる。

結局、私たちは屋上に着くまで無言だった。



「屋上だ!」



屋上の扉を開けると、一気にテンションが上がった私。

フェンスに駆け寄る。

雲ひとつない青空が広がっていて、気分がなんだか晴やかになる。


ここに来たのは2回目だ。

1回目は冬弥くんと一緒に来た。

今日と同じようにテンションが上がった私に呆れていた冬弥くん。

そしたら急に笑い声が聞こえて。

なにかと思ったら、湊くんが日向ぼっこをしながらクスクス笑っていた。

私たちの会話を聞いていたら、思わず笑ってしまったらしい。

それから湊くんとも話すようになったんだ。
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