例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「もう少しで予冷が鳴るわ。教室に行きなさい」

「はい。……でも、」



下駄箱を片付けなくちゃ。

そう思うと動けない。

こんな状態、放っておいて冬弥くんに見られたら困る。



「大丈夫よ。私が責任もって片付けておくから」



夏樹先輩が私の下駄箱に手をかける。

躊躇なく紙くずをゴミ箱に捨てていく夏樹先輩。

紙くずの内容が表に出ないように気づかってくれているのが伝わった。


私も、やらなきゃ。

そう思って手を伸ばしたけれど、それは夏樹先輩の手によって止められてしまった。



「いいから。教室に行きなさい」



これは生徒会長命令よ。

そう言った夏樹先輩は優しい強さを秘めているように感じた。

そんな夏樹先輩に救われる私。

頭を下げて教室に向かう。


夏樹先輩……。

あれは女の私でも惚れてしまうよ……。
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