例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「あいつだよ。成宮 冬弥に付きまとってる奴」

「湊くんにも手を出しているんだって?」

「社長令嬢の如月さんのことをお財布代わりにしか思っていないっていう人だよね」

「最低だな」

「どんな奴かと思えば……。気味の悪い奴だな」



誹謗中傷。

私だけだったらまだいいけれど。

私の耳に入った言葉は、冬弥くんや湊くん、美波ちゃんも絡んでいた。


3人を巻き込んでいる。

それが悔しくて、悲しくて、辛かった。

誹謗中傷的な言葉は彼らの耳にも入っているだろう。

ちらりと3人を見れば、酷い言葉を使う人たちを睨んでいた。



「綾瀬さんを見ているだけで怖いっていうか。気持ち悪いよな」



その言葉が聞えた瞬間。

冬弥くんは言葉を発した男子の胸ぐらを掴んでいた。

胸ぐらをつかまれたクラスメイトの男子は突然のことに驚いていた。



「その言葉、取り消せよ。すぐに謝れ」

「な、成宮……。別に、本気で言ったわけじゃ、」

「本気じゃねぇなら、そんなこと言うんじゃねぇよ」



冬弥くんが私をかばってくれている。

冬弥くんの迫力に怯えるクラスメイトたち。

だけど、冬弥くん対クラスメイトでは冬弥くんが不利になるのは明らかだった。

あれだけ人望というか、人気のある冬弥くんでも……。
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