例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「美波ちゃん、こっち来て」



振り返り、美波ちゃんを手招く。

戸惑いながらも、美波ちゃんは私の隣に並んだ。



「わぁ……っ」

「すごくきれいな景色だよね」

「本当ですね……」



美波ちゃんの横顔をちらりと見る。

先ほどの悲しそうな表情は消え、明るい表情に変わったように見えた。

……良かった。


ほっとした私は、屋上の少しひんやりした床に腰を下ろす。

美波ちゃんも座る。

お弁当を広げる私たち。

美波ちゃんが風呂敷からお弁当を取り出す。

風呂敷から顔をのぞかせたのは、”お弁当箱”ではなくて。



「重箱⁉」



と、思わず声に出してしまった。

そんな私に苦笑いをする美波ちゃん。

美波ちゃんは2段重ねの重箱を広げて箸を持つ。
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