例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
私が、可愛い?

愛しい?


そんなことあるはずがない。

だって、私太っているんだよ?

もう、今までの私はいないんだよ?


涙がこぼれた。

こんな私を見ても、引かないでいてくれる人がいる。

認めてくれる人がいる。

愛しいと言ってくれる人がいる。


それが例え嘘でも嬉しかった。


でも。

その言葉は。

冬弥くんに言って欲しかったな……。

そんなことを思ってしまう自分がいた。



「返事はすぐじゃなくていいよ。それと、」



私の手を握る湊くんの手が震えていた。

震えを隠すように力が入っったことが伝わった。

湊くんは、ごめん、と呟いた。



「僕の母さんが、優奈ちゃんに酷いこと言ったんだよね? ……本当にごめん」



湊くんのお母さんの言葉を思い出す。

今は思い出しても、苦しくはならない。

少し心がズキッとするけれど。

でも、湊くんが謝ることじゃない。

謝るのは私だと思うし……。


なにも言えない私に、湊くんが頭を下げる。
< 243 / 287 >

この作品をシェア

pagetop