例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「待って、」



思わず声を出す。

病室の扉に手をかけていた湊くんが振り返る。



「冬弥くんは、どうしているの……? 元気なの?」



私の言葉が響く。

静まり返った病室。

湊くんが切なげに瞳を揺らしたときには遅かった。



「残酷なことを聞いてくるね……」



ハッとした。

私に告白してくれた湊くん。

そんな湊くんの気持ちを無視して、冬弥くんの心配をする。

なんて私は酷いことを言ってしまったんだろう。



「ごめんなさい、」

「いいよ。……また来るね」



そう言って静かに閉められた扉。


悲しげな空気だけが残る。

私は、また。

人を傷つけてしまった……。


もう。

どうしたらいいのか分からないや……。


その日。

私は眠りにつくまで涙を流し続けた。

珍しく、食べることをしなかった。


湊くんは。

今、どうしているだろうか。

……冬弥くんは笑っているだろうか。


そんなことを考えながら眠った私。

夢に出てきたのは、ぼんやりとした人影。

手を伸ばしても届かない。

私は夢の中で、その人の名前を叫び続けていた……。
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