例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
朝から卵焼きを2種類作るなんて……。

卵、何個使えばいいんだろう……。


じゃなくて!

卵焼きを2種類作るって凄い。



「あ、両方食べます?」

「いいの!? やったぁ!」



私はお弁当箱の蓋に、2つ卵焼きをもらった。

もちろん、甘いのとしょぱいの。

口に含めば幸せな味が広がった。



「美味しい!」



思わず叫んでしまった。

美波ちゃんが幸せそうにご飯を食べる理由に納得した。

これだけ美味しければ、笑みがこぼれてしまう。

美波ちゃんは料理上手なんだなぁ。



「今までこうやって美波ちゃんと話す機会はなかったよねー」

「そうですね」

「でも、話せてよかった」



私は美波ちゃんの顔を覗き込んで微笑んだ。

一瞬目が合ったけれど、すぐにそらされてしまった。

不思議に思ったけど、急に距離が近くなったから驚いちゃったとか?


……ありえるかも。

私はゆっくりと姿勢を元に戻す。
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