例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
気がついたら涙がこぼれていた。

美波ちゃんの気持ちが流れ込んでくる。

温かい手紙。

便箋は涙で濡れていた。



「みな、み、ちゃん……っ、」



湊くんが静かに背中をさすってくれる。

私は流れる涙を手の甲でごしごしと拭う。

便箋をそっと机の上に置いて重箱を広げる。



「卵焼き、だ……」



姿を現したのは色とりどりのお弁当。

栄養バランスも見た目も考えて作ったんだってことが伝わる。

たくさんのおかずの中から、目に飛び込んできたのは卵焼き。


甘い卵焼き。

しょっぱい卵焼き。


美波ちゃんの想いが嬉しくて、私は声を上げて泣いた。



「みんな、優奈ちゃんの味方だね」



湊くんの言葉に涙でぐちゃぐちゃの顔を上げる。


私の味方。

先生もいて。

美波ちゃんもいて。

湊くんもいて。

私は幸せ者なのかもしれない。

そう思えた瞬間だった。

その反面、冬弥くんはどうなんだろう、と考えてしまう自分がいた。


でも今は。

今感じる幸せを大事にしたい。
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