例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「優奈が戻ってきてくれて安心した……」

「冬弥くん……」



私はその背中にゆっくりと手をまわす。


ほっとする温もり。

だけど同時にドキドキもして。

心臓が暴れだす。


冬弥くんのことが忘れられない。

離れたくない。

一緒にいたい。

そんな気持ちが膨らんでくる。



「……学校、行くか」



冬弥くんが離れる。

寂しいと思ってしまう自分はずるいと思う。

自分から一方的に振っておいて。

それでもまだ好きだなんて、都合がよすぎる。


だから、私の気落ちは隠さなきゃいけない。

必死に感情を抑えながら、私は冬弥くんと学校に向かった。
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