例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
学校に着くと、美波ちゃんと湊くんが昇降口で待っていてくれた。

美波ちゃんは私の姿を見た途端、思い切り抱きついてきた。

私も抱きしめ返す。



「おかえりなさいっ」

「た、ただいま……っ!」



全校生徒が使う昇降口。

そんな中で涙を流す私たちに向けられる視線。

美波ちゃんのぬくもりに安心する半面、突き刺さる視線が痛かった。



「うわぁ。デブとデブが抱き合っているよ」

「てか、あいつ、入院していたって噂の綾瀬 優奈じゃね?」

「次はデブに進化したのかよっ」



恐れていた言葉が耳に入ってくる。

自分の容姿を否定される。

それが辛くて怖くて、たまらなかった。

私は抱きしめていた美波ちゃんから離れる。

やっぱり、私の居場所はここにはない……。


そう思いかけたとき。



「訂正してくださいっ!」



美波ちゃんが大きな声で叫んだ。


驚く私。

私だけじゃない。

ここにいる全員が驚いていた。
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