例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「さぁ、教室に行きましょう! 今日は午前中から生徒総会がありますから!」



美波ちゃんが私の手を取って校舎の中に入る。

待って、まだ上履きをちゃんと履けていないから……っ。

そう思ったけれど、美波ちゃんの明るい笑顔を見れば靴を履くのなんてあとでも良いと思ってしまった。



「それより生徒総会ってなに?」

「急遽、体育館で行われるらしいですよ。夏樹先輩がスピーチするだとかなんとか」

「そうなんだ」



夏樹先輩がスピーチ?

夏樹先輩ってもう少しで卒業だよね?

今はもう生徒会長ではないはず……。

生徒会長は現時点の2年生だよね?

だけど、ステージで話すことがあるってこと?


以前、夏樹先輩と初めて話した時にも思ったけど、夏樹先輩って不思議な人だな。

なにを考えているか分からないっていうか。 

だけど、強い信念を持っているような気がする。

夏樹先輩のスピーチを聞けば分かることなのかな。
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