例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「ただいまー」



冬弥くんの声が聞えた。

部屋の時計を見れば冬弥くんの帰宅時間。

私は玄関まで出迎えたかった。

だけど、気が付いたら涙で顔がぐちゃぐちゃで。

笑顔で『おかえり』なんて言える状況じゃなかった。



「優奈ー?」



冬弥くんの声が近づいてくる。

日記を手にしたまま動けない私。


どうしよう。

日記を勝手に見てしまったこと、怒られちゃう……。



「優奈? ここにいたのか……、って」



冬弥くんの視線が日記をとらえる。

ため息をつく冬弥くん。



「見たのか?」

「……うん。ごめん」
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