例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「幼なじみさんと結婚したんですか!?」

「まあね。お互いが初恋だったんだよね」

「初恋の人と結婚できるなんて素敵ですね!」



初めて出会ったクレープ屋さんのお姉さん。

恋愛トークが盛り上がる。

もっと話を聞きたい。

もっと話を聞いてほしい。

当初の目的を忘れてしまうくらい、会話が盛り上がった。

そんな私たちの会話をさえぎったのは冬弥くんの不機嫌そうな声。



「それより、クレープ……」



あ、そうだった。

会話が楽しすぎて、冬弥くんとクレープを放置していた。

ごめん、冬弥くん。

心の中で謝りながら、冬弥くんに視線を移す。



「冬弥くんはなに頼むか決まったの?」

「うん」

「私も決まった!」

「それはさっき聞いた」



呆れ顔の冬弥くん。

その表情も好きだけどね。

私たちはワゴン車のカウンターにラミネートされて置いてあるメニュー表を指さした。
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