例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「「チョコバナナクレープで」」



冬弥くんが指さしたクレープ。

私が指さしたクレープ。

メニュー表の上で指先が触れる。



「あははっ。息もぴったりだねー」



お姉さんが楽しそうに笑う。

は、恥ずかしい……。

慌てて手を下ろす私たち。


”チョコバナナクレープ”


選んだクレープが冬弥くんと同じだったことは純粋に嬉しかった。



「結局、チョコバナナにしたんだな」

「冬弥くんだって……」



その言葉の続きは出なかった。

だって。

冬弥くんの耳がほんのり赤く染まって見えたから。


夕日のせい?

……私のせいだったらいいのにな。

そう願ってしまう自分に少し切なくなる。

そんな感情を吹き飛ばすかのようにお姉さんの明るい声が届く。
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