例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「お待たせしました! チョコバナナ2つね!」



お姉さんがクレープを手渡してくれる。


わぁ……。

生クリープたっぷり。

チョコレートもたくさんだ。

それに……。

レアチーズケーキもトッピングされていた。

写真には載っていなかったのに……。



「それはサービスだから食べてね」

「いいんですか?」

「もちろん! 君たち可愛いから、サービスしちゃった」



そう言って笑うお姉さんは本当に素敵な人。

私たちはお礼を言って近くのベンチへ向かった。



「美味しそうだねーっ」

「ああ」



ベンチに腰掛け、クレープを食べようとした冬弥くん。

そんな冬弥くんに慌ててストップをかける。



「待って! クレープ記念の写真、撮りたい!」

「クレープ記念?」

「うんっ! 冬弥くんと初めてのクレープだから!」



クレープ記念日。

初めてのクレープ。

それはただの口実に過ぎなくて。

本当は冬弥くんとのツーショット写真が欲しかったから……。

口実を作らないと、写真を撮りたいって言い出せない自分がいると思ったんだ。
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