例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
冬弥くんの言葉に誰も反論できない。

委員長はなにか言いたげだったけど、それ以上言うことはなかった。


正論。

多分、ここにいる全員が同じことを思っただろう。

やる気があるからこそセリフを完璧に覚えてくる。

だけど、見向きもされない。

頑張りを評価されない。

表面だけしかみていない。

それだと、舞台に立つ人たちは全力を出せないよね……。



「分かったわよ。言い方が悪かったわ。……それでいい?」

「委員長、あのなぁ」



態度を改めようとしない委員長に怒り爆発寸前の冬弥くん。

冬弥くんも感情的になってしまったら、それこそ収拾がつかなくなる。

それでは、冬弥くんの言葉に意味がなくなってしまう。



「あのっ!」



思わず私は大きな声を出していた。

視線が私に集中する。

湊くんもびっくりしたように私を見ている。

びっくりしたためか、ずっと頭の上に置かれていた湊くんの手が離れた。
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