例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「私、衣装作りを頑張った。湊くんも一緒に頑張ってくれて、完成したよ」



なにが言いたいの?

そんな視線がいろんな方向から突き刺さる。

手が震えるけど、自分の気持ちは届けたい。



「素敵な衣装が出来上がったから……。明日、それを着てステージに立ってほしい」

「……優奈」

「たくさんの思いを込めた衣装を輝かせて」



衣装を輝かせることをできるのは、ステージに立つ人だけだから。

そして、ステージの上に立つ人を最後まで支えられるのは衣装だと思うから。


……衣装だけじゃない。

舞台セットを作った人の気持ちも。

台本を作った人の気持ちも。

演出を考えた人の気持ちも。

どんな形であれ、ステージの上でライトを浴びることになるんだから……。



「んー。優奈ちゃんが言いたいのはさ、」



湊くんがうまく言葉に出来なかった私の気持ちを表そうとしてくれる。

そんな湊くんの言葉を静かに聞くクラスメイト。

ピリピリとした空気が消えつつある。
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