例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「劇が終わったとき、やりきったね、ってみんなで言い合いたいんじゃないのかな?」



湊くんが私に微笑んでくれる。

そんな湊くんに頷く私。

うまくまとめられなかった思いを、みんなに言葉として伝えてくれてありがとう。


中断となってしまった劇の練習。

今日はもう練習はできないかな……。

誰もがそう思っている中。

おずおずと口を開いたのは美波ちゃんだった。



「あの。みなさんさえ良ければ……。明日の朝、最終練習しませんか?」



そう言って頭を下げた美波ちゃん。

今までなにも言わなかった美波ちゃんが声を上げたことに驚いた。


意見を言う。

正直、美波ちゃんの苦手分野だと思っていた。

反対されるかもしれない意見。

だけど、勇気を振り絞って提案してくれたその考えに反論する人はいなかった。
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