例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
冬弥くんからの言葉に肩をはねさせる。

委員長の背中は震えていた。



「……ごめんなさい。ずっと強く当たってしまって、」



教室に委員長の声が響く。

嗚咽交じりの声に、委員長が泣いていることが分かった。

涙を拭う後姿を見つめる。



「劇が終わったとき、みんなで笑い合いたいと思っていたのに。それを壊そうとしていたのは私だったのかもしれない……」



委員長失格ね。

と、涙をこぼす彼女。

そんな姿を見てしまったらなにも言えない。

だけど、冬弥くんは違くて。



「確かに委員長失格かもな」

「……」

「自分で失格だと思ったら、失格になっちまうんだよ」



冬弥くんの言葉が胸に刺さる。

多分、それは委員長も同じだと思う。

委員長だけじゃなくて、この場にいる全員同じことを思っただろう。



「明日、最終練習しましょう。それで、本番輝こうっ」



委員長の言葉にみんなが頷いた瞬間だった。
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