例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「解き方、教えて?」

「う、うん」



私が頷くと、冬弥くんはノートと筆箱を持ってきて私の机に置いた。

『ありがとう』と微笑みながら、ノートを広げている。

そんな冬弥くんの表情を見ることができた嬉しさ半面。

私を鋭い目つきで睨む女子たちに怯んでしまう自分がいる。


……気に入らないんだろうな。

私が学校1のイケメンと言われる冬弥くんと話すことが……。



「優奈?」

「あっ……」

「どうかした?」

「ううん! えっと、この問題は……」



慌てて答案用紙に視線を戻す。

今も女の子たちからのキツイ視線は感じるけど、できるだけ気にしないようにしよう。


……でも。

私がもっと可愛い女の子だったら。

冬弥くんの隣で並んで歩いても認められるくらい可愛かったら。

キツイ視線を浴びることはなくなるのかな。



「あ、解けた」



ノートから顔を上げる冬弥くん。

私は冬弥くんからノートを受け取り、答え合わせをする。

相変わらず、字が綺麗だな……。
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