例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

失恋をした女の子。

残すは後夜祭。

クラスメイトがざわついている。

後夜祭の花火は誰と見るのか。

そんな話題で盛り上がっている。



「優奈ちゃんは冬弥と花火を見るんだよね?」

「み、湊くん!?」



教室の窓から校庭をぼーっと眺めていた私は、突然現れた湊くんに驚きを隠せない。

いつの間にか、湊くんは壁に背中を預けるように寄りかかっていた。


……全く気が付かなかった。

しかも、冬弥くんと花火を見るってなんで分かったのか。

私、誰にも話していないのに……。



「あはは。冬弥と優奈ちゃんの様子見てたら分かるよ」



……心まで読まれている。

湊くんの鋭さは恐るべし。

勘が鋭いっていうか、人のことをよく見ているっていうか……。

凄いなぁ、と思いながら湊くんを見ていると。



「……落ち着いた?」

「え? ……あ、」



そうだ。

私、文化祭の劇の最後で……。

湊くんをおいて逃げ出してしまったんだ。
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