例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「それは似合わないかもっ」



思わず吹き出してしまった。


だって。

冬弥くんが私のために一生懸命、飲み物を選ぶとは思えない。

選んだとしても『これにしとくか』って感じだと思う。

自分の分だけだったら『あ、ブラックコーヒーあった』って思っているだろう。

冬弥くんは自販機に行くといつもそう言っている。

そりゃ、ブラックコーヒーはどこの自販機にもあると思う。

むしろ、なかったらおかしい。

コーヒーが売ってない自販機があるなら見てみたい。



「西園寺くーんっ!」



湊くんと笑い合っていると、湊くんを呼ぶ声が聞こえた。

振り返れば、教室のドアから湊くんを呼んでいるクラスの女子。

その後ろには他のクラスの女の子がいて。

その子は恥ずかしそうにうつむいていた。

……告白、かな?

雰囲気からしてそう見える。



「隣のクラスの子が呼んでるよーっ!」

「分かったー」



湊くんと顔を合わせる。

ごめんね、と少し申し訳なさそうな顔をしながらこの場を離れる湊くん。
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