例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「何度も呼んでいたんですよ?」

「えっ、そうだったの!? それはごめん」



私は顔の前で手を合わせて謝った。

美波ちゃんは怒っている様子はなく……。

むしろ心配をしてくれた。



「なにか考え事ですか?」

「えっと。それはー……」

「……?」



考え事……。

確かに、周りの声も耳に入らないくらい自分の世界に入り込んでいた。

それだけ冬弥くんと花火を見ることが楽しみ。

美波ちゃんに心配をかけたことは申し訳ないけれど……。

だけど、美波ちゃんを見ればそこまで気にしていない様子。

いつもの穏やかな表情で話しかけてくれる。



「後夜祭の花火、誰と見るんですか?」

「あ、えっと……」

「もしよかったら、一緒に見ませんか?」



美波ちゃんが誘ってくれる。

それは凄く嬉しかった。

……だけど。
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