例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「ごめん。……花火は、冬弥くんと見る約束をしていて」

「そう、ですか……」

「うん。だから、ごめんね」



私は美波ちゃんの誘いを断った。

悲しそうな顔をする美波ちゃん。

その顔をさせることは容易に想像ついていたのだけれど。

実際に目の前にすると心が痛くなる。



「ご、ごめんね……」



謝ることしかできない私。

目を伏せている美波ちゃんにもう一度謝る。

友達にこんな表情、させたくないのにな……。


恋と友情。

そんな言葉が頭に浮かんだ。



「あの、言いにくいんですけれど……」



美波ちゃんが顔を上げて私の目を見る。

その目は少し戸惑い交じりのように見えた。

今まで見たことがなかった美波ちゃんの表情に少し構えてしまう自分がいた。



「夏樹先輩、って分かりますか?」

「え、うん。生徒会長でしょ? 凄くきれいな人だよね?」

「はい」

「生徒会長の名前と顔くらい覚えているよー」



でも、それがどうしたんだろう?

美波ちゃんの『言いにくいこと』と、なにに繋がるんだろう。
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