例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「優奈ちゃんは、」

「もういい。……帰る」



ずっと私たちの様子を見守ってくれていた湊くんが口を開く。

フォローしようとしてくれている。

だけど、冬弥くんは湊くんの言葉を聞かず、踵を返して歩いていった。


遠ざかっていく足音。

もう、手遅れ。

冬弥くんが離れていってしまったんだと感じる。



「優奈ちゃん……」



湊くんの声が耳元で聞こえる。

切なそうな、申し訳なさそうな声。

湊くんが責任を感じなくてもいいのに。

そう思うのに、私は湊くんに『ありがとう』を言う余裕もなくて。

ただただ、涙を流した。


結局、冬弥くんが夏樹先輩とどんな関係なのかは分からなかった。

湊くんは、そんな私の背中をひたすら撫で続けてくれた。


廊下の窓が影を落とす。

もう少しで後夜祭の花火が上がるのかな。
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