例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

仲直りをした女の子。

……そう決意したものの。

冬弥くんと話せない日々が続いています。


後夜祭からもう4日経つ。

小さくため息をつく私。

ちらりと横目で冬弥くんを見るけれど、彼は全く私の視線に気が付いていない。

机に腕を重ねて寝ている。


……朝のホームルームだというのに。

先生が教壇で話しているというのに。

冬弥くんは話を聞いていません。


先生ー。

ここに、寝ている人がいまーす。


なんて、明るく言えたらどんなにラクだろう。

そしたら、冬弥くんも言い返してくれるはずなのに。

今までだったら……。



「えー。明後日から夏休みに入るが……、」



夏休みの話が始まる。

文化祭が終われば夏休み。

それは前から分かっていたこと。

だけど、今のまま夏休みに入りたくない。

冬弥くんと話せない夏休みなんて嫌だ。


今日こそ。

今日こそは話しかけよう。
< 90 / 287 >

この作品をシェア

pagetop