例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「あの、成宮くん……」

「ん……」



眠そうな冬弥くんが顔を上げる。

ぼーっとしている姿が可愛い。

その反面。

美波ちゃんと冬弥くんが羨ましく感じた。


何事もなく冬弥くんに話しかける美波ちゃん。

そして普通に返事をする冬弥くん。

羨ましいという感情が心の中に黒い渦を作る。



「一緒に海へ行きませんか? お泊りなんですけど……」

「は?」

「あ、えっと。優奈ちゃんも一緒で。これから西園寺くんも誘おうかと」



名前を出した瞬間、冬弥くんが眉間にしわを寄せたのが分かった。

それは私の名前を聞いたからなのか。

それとも湊くんの名前を出したからなのか。

……考えたくない。



「無理にじゃないんです! 予定とかあれば優奈ちゃんと西園寺くんで行くのでっ」

「……」



沈黙が流れる。


そう、だよね。

最近まともに口もきいていない人と旅行なんて嫌だよね。


そう思ってうなだれていると。
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