例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「な、なに?」

「なんで旅行の誘いに乗ったんだ?」

「え……」



旅行に行くと決めた理由?

なんでそんなことを聞くんだろう。

私は純粋に。



「美波ちゃんに誘ってもらえたことが嬉しかったから」



そりゃ、冬弥くんも一緒に旅行に行けるなら嬉しい。

湊くんも一緒なら、この不穏な空気も消せるかもしれない。

だけど純粋に美波ちゃんと夏休みにお出かけできることが嬉しかったんだ。



「そっか」

「うん」



そこで会話は終わる。

終わってしまったけど。

少しでも話せてよかったと思う。

そっけないかもしれないけど、冬弥くんから話しかけてくれたことで心が温まる。


ああ、やっぱり冬弥くんのことが好きなんだな。

と、改めて思った。
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