短編集
軽くて重い
某月某日、校舎の廊下にて
「あの先輩」
唐突に目の前の彼から渡された1枚の白い封筒。
「あっ、うん」
私はそれを凝視し少しだけ驚く素振りを見せながら彼の言葉に耳を傾ける。
「これ僕の思いを綴った ――」
…… 将来設計図かな?
私は顔を真っ赤にした彼の続きの言葉を軽く予想しつつ待つ。
「遺書です!受け取って下さい」
「…… 遺書だったか」
私は思わず額に手を当て呟いた。
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