短編集
「だからって―― なんでこんな甘酸っぱさの欠片もねぇ状態で言うんだ貴様は!」
「口調変わってる」
「誰のせいだよ!こんちくしょう」
私は手にある肉まんに衝動のままかぶりついた。
「で、この告白もどきに答えは?」
「必要なし」
「OK、分かってた。分かってた」
「代わりに今の脳内の状態をどうぞ」
こちらに手を向けてくる彼の動作がムカつくことこの上ない。
「肉まんの美味しさが8割、あんたの告白が2割ぐらいだわ」
「比率が前より増えた?」
「そりゃ、2回目ともなればな」
そう言い捨てた私はそのまま肉まんを食べ切り、底にあった薄い紙を丸めてゴミ箱に捨てた。