短編集
「なんか、旨い物食べてると…… 毎回なんかお前のこと好きだなって思って ……」
そこで言葉が途切れる。
「んっ?あれ、どうした?」
彼の間を疑問に思った私は箸を止めて訊ねる。
彼が顔を下に向けているため表情がよく見えない。
「えっ、あ…… そっか。俺、お前のこと旨そうって思ってたのか…… 」
「だからいつも食べてる、時なのか ……」
「…… はい!?」
摘まんでいた餃子が箸から皿に転げ落ちた。
驚き顔で顔を抑えながら呟く彼と更にそれを上回る勢いで驚く私。