短編集
「―― で。ねぇ、聞いてる真北(まき)?」
「んっ!ん?はっ、はい聞いておりますよ」
「んっ、そんじゃ良かった。それで明日の予定なんだけど」
すいません、駆(かける)君嘘です。バッチリ意識を遠くに飛ばしておりました。
私は嘘をついた罪悪感を抱えつつ“少しだけ目線を下げて”話を必死に聞く。
……… この一言でお察しいただけた方もいらっしゃると思いますが、
そう、私と彼は先程述べたように理想の15cm差ではあるのですが、
私は彼より身長が高く彼は私より身長が低いのです。