短編集
「…… 本当ですか?」
「ほっ、本当ですよ」
青い顔になりつつ彼女は少し言い淀む。
「だっ、だから!せいぜい首を洗って待っているがいいさ」
だが、彼女はすぐ元の態度に戻りそう言って部室を出て行った。
派手な音を立てて部室のドアが閉まる。
「…… 首洗って待ってろ、って」
完全なる捨て台詞もしくは負け台詞である。
「期待しないで待っとくか」
俺はひとつ息を吐きまた手に持っていた文芸集を読み始めた。