短編集
誰も居ない空き教室の真ん中で1人胡座をかいていた彼の名は“鬼川(きがわ) 柳(やなぎ)君。
名は体を表す、とはよくいったもので鬼川君はその強そうな名前に恥じない程、というより名が人物に負けてしまいそうな程に強い。
常に喧嘩を絶えず行っており勝った喧嘩も買った喧嘩も数知れず付いた通り名が
“歩けば血の川、鬼の鬼川”
という絶妙にダサいものらしい。
そんな彼は結構な頻度で授業に出ていないことが多い。
理由は明白だ。喧嘩してるから。
それ以上でもそれ以下でもない。
逆に喧嘩以外の理由で彼が授業をサボっているのを見たことがない。