短編集
輝いていた目が一瞬にして叱られた犬のような目に変わる。
「話が逸れたけど、とにかく遺書は受け取れません」
私はNOの意味を込めて手でばつをつくる。
「分かりました。遺書は諦めます」
「次は先輩が頷いてくれそうな告白考えてきますね!」
彼は自分の右手をぐっと力強く握り締めた。
「いや、だから普通に」
「じゃあ、今日の放課後また告白しに来ますね」
「おい、人の話を聞いてくれ、って」
そのまままぁまぁな勢いで彼は廊下を駆け抜けて行く。
「聞いてないなー」