短編集
そうしてすぐに私は壁のほうまで追いやられる。
冷えたコンクリが背中に当たるが、今はそれどころではない。
「あっあの、鬼川君?この状態は一体?」
後ろに壁、前には鬼川君の大きな体があって動くに動けない状態になる。
「委員長はこの状態でもまだ落ち着くか?」
お願いだから会話して!会話!
「落ち着くとかそれ以前に ……」
恥ずかしさで彼を見上げるといつになく真剣な顔がそこにはあって
私はついつい黙ってしまった。