アイドルと私。
店内を一緒に回りながら目に付いた商品を手に取って

「例えば…こちらのスキニーの黒パンツはいかがですか?脚が長く見える作りでして、結構人気なんですよ。それに…お好きなお色とかありますか?下が黒だとしたら、上は何色でも合うと思うので、上はお客様が好きなお色のトップスなどいかがかと思いまして…」

と提案してみる。

「お姉さんに言われて気付いたんですけど…私パンツ持ってないかもです。いつもスカートばかりで…だからパンツ履いてみたいです。好きな色…赤とか好きですけど、何かありますか?」

そう言ってパンツをキラキラした目で見つめるお客様に素敵なトップスを探してあげたくて

「赤って意外に色んな赤がありますよね。それこそ真っ赤とか、ボルドー、ワインレッド…お客様には明るい赤がお似合いかなと思います。深めな赤よりは…そうですね。こちらはいかがですか?」

私が手に取ったのは、タイトめなリブニットの絶妙な秋色の赤にピンク味が入っているもの。この手のお色は着る人を選ぶけど、可愛いらしいお客様にはピッタリだと思う。それに黒のパンツと合わせると更に素敵になると思うと思い、鏡の前でお客様の体に合わせて見せる。
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